税賠

口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状

B:「小百合くん、先日のP先生が裁判所から送達された
相手方の『訴状』と『口頭弁論期日呼出状』を
送ってきましたよ。

答弁書催告状』も一緒ですから、答弁書の起案を
お願いします。

木下先生には伝えてありますから」

S:「『口頭弁論期日呼出状』ですか?
なんか、犯罪者みたいですね
裁判所が勝手に期日を決めるのですね」

B:「そうです。でも、被告側は、この呼出状に
一緒に記載されている『答弁書催告状』に従って
指定されたて期限までに答弁書を提出すれば、
1回期日は出廷しなくてもいいですよ」

S:「え?それで問題はないのですか?」

B:「そうですね。第1回期日は、民訴法で
訴状又は答弁書の陳述の擬制が
特別に規定されていますから大丈夫ですよ」

S:「では、原告も出廷しないのですか?」

B:「いや、双方とも出廷しないと、
口頭弁論ができませんから、民訴法上も
『原告又は被告』となっています。
通常は原告が、自分の訴えが認められるために
出廷していますね」

S:「でも、税務訴訟の場合はいつも国側の代理人が
出廷していたと思いますが・・・?」

B:「そうですね。国側は出廷するという内規が
あるのかもしれませんね」

S:「だから、訴状を提出した後に書記官さんから
期日の日程調整が入るのですね」

B:「どうしても第1回に出廷したい場合には、
当事者の合意があれば、期日も変更できますよ」

S:「あ、いえ、どうしてもってことはないです」

      ◎     ◎     ◎

原告から訴状が提出されると、その先では
どんな裁判手続が進められるのでしょうか。

まず、訴状が受理されると、裁判所では事件として
立件し(平成●年(△)第○○号××事件などと事件名が
付けられます。)、担当の裁判部に振り分けます。

ここまで、訴状提出の日に受付係がやってくれます。

その後、事件を割り当てられた裁判部は、
訴状の審査をして、補正などの問題がなければ、
被告に訴状副本(証拠があれば証拠も)と

口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状』を送達します。

口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状』には
裁判所に出頭する期日(第1回口頭弁論期日)、
具体的には、日時・場所(○○裁判所△号法廷)と

答弁書の提出期限が記載されています。

また、被告が代理人として弁護士に依頼しない場合も
考慮してか、答弁書の記載要領も添付してくれます。

期日は、民訴規則では「特別の事由がある場合を除き
1
月以内に期日を指定」となっています(60)。

訴状に補正が必要な場合などは、補正を待ってからと
なりますので、2月後位に指定されることもあります。



被告の場合、わずか1ヶ月で、代理人弁護士を探したり、

答弁書を提出したりしないといけないので、忙しいですね!

なお、原告には『口頭弁論期日呼出状』のみが
送達されます。

1回期日の出廷については、また後日お話します。

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税理士損害賠償責任(税賠)その2

先日の税賠相談の続きです。

K:「訴状によると、関与先の従業員の問題のようですね」

P:「そうなんです。税務調査を受けたことがきっかけで
従業員が会社の仕入を架空計上して、使い込みをしてたのが
わかったんです。

会社にとっては使い込みをされたお金も戻ってきそうにないし、
架空仕入の計上なので、税務署からは重加算税まで
課されるしで、踏んだり蹴ったりなんですが、


その従業員の不正を発見できなかったご自分の管理ミスを
私のところにかぶせるのは、全く見当違いじゃありませんか。」

K:「税理士に不正調査も含めて、税務申告を依頼する社長も
いらっしゃいますからね。


今回は、重加算税もとなると、会社の負担も相当ですね。
重加算税については不服申立てして争っているのですか」

P:「いや、社長は国を相手に争っても勝てないって
決めつけていて、不服申立てはしないそうです。
だからって、ウチに賠償とは・・・」

K:「手続の説明はされたのですね」

P:「はい、しました」

K:「そうすると、そもそも、税理士の業務として
架空仕入の可能性を指摘することができたか。
あるいは、従業員の不正発見も委任事項だったかなどが
問題となりそうですね」

P:「不正発見なんて、とんでもない!
私は性善説ですし、そんな契約はしてませんよ」

K:「わかりました。
1回期日は欠席でもかまいませんから、
とり急ぎ、答弁書を作成して提出しましょう」

P:「よろしくお願いいたします」

      ◎     ◎     ◎

B:「小百合くん、今日の税理士のP先生からの相談、
どうでしたか? P先生は勝てそうですか?」

S:「・・・」

B:「ん? どうしたんですか? 暗い顔して?」

S:「P先生、顧問先のために一所懸命やっていたのに
その結果が損害賠償ではかわいそうだなと思って。

それに、架空仕入や従業員の不正っていっても
税務署は調査権限がありますが、
税理士は調査権限ないですから、見つけるのは難しいですよ」

B:「どこまでが、プロとして当然に気づくべき範囲かという
専門家責任の争いになりそうですね。
今度は答弁書を書いてみますか?」

S:「答弁書ですか?いつもは取消しを求めて訴える側ですから
考えたことなかったですね。やらせてください」

B:「では、木下先生には伝えておくから、
案ができたら、木下先生に検討してもらってください」

S:「ありがとうございます。承知しました」

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税理士からの相談(税賠)

K:「P先生、こんにちは」

P:「木下先生、こんにちは。
いつも的確なアドヴァイスありがとうございます。

今日は、もう10年以上顧問契約していた顧問先から
突然、訴状が送られてきまして、驚くやら、腹立たしいやら・・・

それに、金額も大きくて到底支払えるような額では
ありませんし、そもそも私に支払う理由なんかありません。

もう、これは、サンタ先生にお願いするしかないと
うかがいました」

K:「そうですか。それで、顧問契約書はありますか?」

P:「いや、それが、最近の顧問先とは先生にもチェックして
いただいて、契約書を交わしていますが、
10
年以上前からの顧問先とは、契約書がないんです」

K:「では、関与の状況と顧問料等を教えてください」

P:「関与は、毎月帳簿書類を確認して、試算表を出すことと
決算業務、申告書の作成・代理です。
法人だけでなく、社長さんの個人の確定申告もしていました。


報酬は、毎月10万円と申告時期に50万円です。
社長個人の分の報酬は受け取ってません」

         ◎          ◎          ◎

【契約書】

サンタ事務所に、税理士が損害賠償請求されたといって
ご相談にみえるケースは少なくありません。

また、顧客が税理士を訴えたいと相談に見えるケースもあります。

最近は、税理士も契約の重要性を認識してきたようですが
十数年も顧問関係を続けた後に、契約書を交わすなどとは
言い出せないのか、契約書がないこともよくあります。

しかし、口頭の契約だけでは、訴訟になった場合に
委任の内容(範囲)が両者で異なっていて、
争いになるケースもあります。

【報酬の額】

訴訟では、報酬の額が責任の程度に影響を与えた裁判例(※1)、
反対に、無報酬でも責任を認めた裁判例もあります(※2)。

無報酬だからといって、必ずしも責任がないということにはなりません。

専門家の業務には、常にリスクを伴うことを考慮し、安易に無報酬で受任することなく、適正な報酬を受領するようにしたいものです。

         ◎          ◎          ◎

【本日の裁判例】
※1 名判平成15928日は、報酬の額から、委任契約の範囲に
   顧問報酬、記帳代行報酬を含まないと認定した事例です
   (名古屋高裁ホームページ下級裁主要判決情報)。


※2 東高判平成7619日(判例時
154048) は、
   相続税の修正申告及びその調査立会いにつき、
   報酬の約束及び報酬請求の有無が「委任契約の成立を
   左右するものとはいえない」として、委任契約の成立を認め、
   当該契約に係る税理士の債務不履行があったと
   認定しています。
 

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