取消訴訟の答弁書が届く(その2)
(前回のお話のつづきです。租税訴訟で
『本案前の答弁』はよくあるのでしょうか?)
K:「租税訴訟の手続は、国税通則法や行政事件訴訟法で
民訴より厳しい特則が定められているから、
租税訴訟に慣れていない弁護士や本人訴訟の場合は
訴訟要件をみたしていないケースもあり得るさ」
S:「原告側は、訴えの利益ありと考えて提訴をしたのに、
被告から『本案前の答弁』がされた答弁書が
提出されるとドキッとしてしちゃうわね
税務訴訟では、どんな場合に『本案前の答弁』が
されることが多いんですか?」
K:「そうだな・・・租税訴訟の判決をみると、
通常は、提訴期限を徒過している場合とか
そもそも処分の取消を争うことに利益がない場合、
請求できない金額まで請求した場合などが多いかな?」
S:「期限徒過って、行訴法改正で6月に延長されましたし
あんまり現実味がないけど」
K:「判決を検索してみると、請求が全部却下されているのは
めずらしいけど、一部却下は意外とあるよ。
たとえば、課税処分を受けた後に、
再更正処分があった場合なんかクライアントが
弁護士に知らせてくれないと、
訴訟中に訴えの利益がなくなっているのに、
争っていることになってしまうケースもあるのさ」
S:「どう対処したらいいでしょう?」
K:「うーん。そういう可能性がある場合には
クライアントと密に連絡をとって、
慎重に対応するしかないよな」
S:「だけど、被告側も原告の所轄税務署や国税局から
処分したことは把握してるんじゃないですか?」
K:「そうだけど、被告はイジワルでぎりぎりにならないと
『訴えの変更』の必要性を教えてくれなかったりするのさ
まあ、教えてくれるだけ親切ということかもしれないけど」
S:「まぁ、そんなイジワルするの?」
K:「いや。ちょっと言い過ぎたか。被告も課税部門と訴訟部門は
担当者が異なるし、税務署から国税局への連絡にも
それなりに時間がかかるのだろうけどね」
S:「ところで、『却下』ってそんなに大変なことなの?」
K:「うわっ! まだ、そのレベルだったか・・・
じゃあ、『棄却』と『却下』の違いについて宿題だ」
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