税理士損害賠償責任(税賠)その2
先日の税賠相談の続きです。
K:「訴状によると、関与先の従業員の問題のようですね」
P:「そうなんです。税務調査を受けたことがきっかけで
従業員が会社の仕入を架空計上して、使い込みをしてたのが
わかったんです。
会社にとっては使い込みをされたお金も戻ってきそうにないし、
架空仕入の計上なので、税務署からは重加算税まで
課されるしで、踏んだり蹴ったりなんですが、
その従業員の不正を発見できなかったご自分の管理ミスを
私のところにかぶせるのは、全く見当違いじゃありませんか。」
K:「税理士に不正調査も含めて、税務申告を依頼する社長も
いらっしゃいますからね。
今回は、重加算税もとなると、会社の負担も相当ですね。
重加算税については不服申立てして争っているのですか」
P:「いや、社長は国を相手に争っても勝てないって
決めつけていて、不服申立てはしないそうです。
だからって、ウチに賠償とは・・・」
K:「手続の説明はされたのですね」
P:「はい、しました」
K:「そうすると、そもそも、税理士の業務として
架空仕入の可能性を指摘することができたか。
あるいは、従業員の不正発見も委任事項だったかなどが
問題となりそうですね」
P:「不正発見なんて、とんでもない!
私は性善説ですし、そんな契約はしてませんよ」
K:「わかりました。
第1回期日は欠席でもかまいませんから、
とり急ぎ、答弁書を作成して提出しましょう」
P:「よろしくお願いいたします」
◎ ◎ ◎
B:「小百合くん、今日の税理士のP先生からの相談、
どうでしたか? P先生は勝てそうですか?」
S:「・・・」
B:「ん? どうしたんですか? 暗い顔して?」
S:「P先生、顧問先のために一所懸命やっていたのに
その結果が損害賠償ではかわいそうだなと思って。
それに、架空仕入や従業員の不正っていっても
税務署は調査権限がありますが、
税理士は調査権限ないですから、見つけるのは難しいですよ」
B:「どこまでが、プロとして当然に気づくべき範囲かという
専門家責任の争いになりそうですね。
今度は答弁書を書いてみますか?」
S:「答弁書ですか?いつもは取消しを求めて訴える側ですから
考えたことなかったですね。やらせてください」
B:「では、木下先生には伝えておくから、
案ができたら、木下先生に検討してもらってください」
S:「ありがとうございます。承知しました」
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