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2009年5月

裁判所から併合についての連絡

K:「小百合さん、この前のチャレンジね。OKだったよ」

S:「チャレンジって、あの複数事業年度分の併合の件ですか」

K:「そう。最初、書記官さんから電話があって
   
併合できないって言われたんだけどね」

S:「え?それで、覆したんですか?

K:「そう。この前、小百合さんと一緒に検討した
最高裁決定のおかげさ! 併合の申立書を出したんだよ」

S:「併合の申立書ですか?」

K:「裁判所に何かお願いするときは、○○申立書という形で
 文書を提出するんだ。

 今回は、併合のお願いだから『併合申立書』さ。
・・・というようなことを書いたのさ」

S:「それで、裁判所はOKってことになったのね」

K:「そう。 これからは同一者に対する複数年分の処分は
1つの訴えで認められそうだ。
今度は複数者の処分についてもチャレンジしてみるか?」

S:「また調子にのって、そんなことしてるうちに
提訴期限過ぎちゃったら、取り返しつきませんよ!」

K:「それが、大丈夫なんだな」

S:「また、どうしてそんな自信満々なんですか?」

K:「へへ、実は今回も提訴期限が迫ってたから
もし、併合の訴えが認められないとすると

  1つの事業年度分については、
訴状をもう1度出しなおさないといけないからと思って、
書記官さんに確認したのさ」

S:「それで、OKだったってこと?」

K:「まあ、簡単に言うとそういうことさ」

S:「条文は、調べたんですか?」

K:「おやおや、いってくれるねー」

      ◎     ◎     ◎

実は、事実関係を同じくする複数者についても、
関連請求にあたるとして、東京地裁に提訴してみました。

しかし、複数者については、「関連請求にあたらない」との見解でした。

ただ、裁判官の訴訟指揮で併合審理が認められたため
訴状や証拠説明書は個々に提出する必要はないとのことで、
代理人事務所としては、ありがたくお受けし、
不足の印紙額のみ、追完しました。


なお、原告が3者以上の事件では、併合審理を認めた上で、
証拠は共通のものは共通番号、個別のものは個々の原告Aの1、
原告Bの1などと記載するように指示がありました。

これらはいずれも裁判官の訴訟指揮で決まります。

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税理士損害賠償責任(税賠)その2

先日の税賠相談の続きです。

K:「訴状によると、関与先の従業員の問題のようですね」

P:「そうなんです。税務調査を受けたことがきっかけで
従業員が会社の仕入を架空計上して、使い込みをしてたのが
わかったんです。

会社にとっては使い込みをされたお金も戻ってきそうにないし、
架空仕入の計上なので、税務署からは重加算税まで
課されるしで、踏んだり蹴ったりなんですが、


その従業員の不正を発見できなかったご自分の管理ミスを
私のところにかぶせるのは、全く見当違いじゃありませんか。」

K:「税理士に不正調査も含めて、税務申告を依頼する社長も
いらっしゃいますからね。


今回は、重加算税もとなると、会社の負担も相当ですね。
重加算税については不服申立てして争っているのですか」

P:「いや、社長は国を相手に争っても勝てないって
決めつけていて、不服申立てはしないそうです。
だからって、ウチに賠償とは・・・」

K:「手続の説明はされたのですね」

P:「はい、しました」

K:「そうすると、そもそも、税理士の業務として
架空仕入の可能性を指摘することができたか。
あるいは、従業員の不正発見も委任事項だったかなどが
問題となりそうですね」

P:「不正発見なんて、とんでもない!
私は性善説ですし、そんな契約はしてませんよ」

K:「わかりました。
1回期日は欠席でもかまいませんから、
とり急ぎ、答弁書を作成して提出しましょう」

P:「よろしくお願いいたします」

      ◎     ◎     ◎

B:「小百合くん、今日の税理士のP先生からの相談、
どうでしたか? P先生は勝てそうですか?」

S:「・・・」

B:「ん? どうしたんですか? 暗い顔して?」

S:「P先生、顧問先のために一所懸命やっていたのに
その結果が損害賠償ではかわいそうだなと思って。

それに、架空仕入や従業員の不正っていっても
税務署は調査権限がありますが、
税理士は調査権限ないですから、見つけるのは難しいですよ」

B:「どこまでが、プロとして当然に気づくべき範囲かという
専門家責任の争いになりそうですね。
今度は答弁書を書いてみますか?」

S:「答弁書ですか?いつもは取消しを求めて訴える側ですから
考えたことなかったですね。やらせてください」

B:「では、木下先生には伝えておくから、
案ができたら、木下先生に検討してもらってください」

S:「ありがとうございます。承知しました」

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補佐人の許可?

今日は、国家賠償訴訟の控訴審の第1回期日です。
場所は東京高裁第14民事部。

裁判長:「控訴人から控訴状及び控訴理由書陳述しますね」

K:「はい。陳述いたします」

裁判長:「被控訴人は、答弁書陳述しますね」

国指定代理人:「はい。陳述します」

裁判長:「それから、証拠が甲56号証から70号証。
      すべて写しで提出ですね」

K:「はい」

右陪席裁判官が裁判長に何事か囁いてます。

裁判長:「そうだった。前後しますが、補佐人の許可をします。
      では、次回期日7月10日で続行します。
      控訴人は反論の書面を1週間前までに提出ください」

K:「かしこまりました」

S(小声):「木下先生、今、裁判長、「補佐人の許可」って
      仰いましたよね? 許可必要なの?」

K(小声):「いや、だけど、もう終わっちゃったよ。まあ、いいか」

最初に書いたように、税理士法2条の2で、税理士は、
裁判所の許可なく、代理人と共に出廷して陳述できることに
なっています。

S:「税理士法では『租税に関する事項について』となってますから
  租税に関する国家賠償訴訟も含まれていると考えて、
  当然のように、『補佐人税理士選任届』を提出していましたけど」

K:「そうだな。もし、許可が必要なら、『補佐人帯同許可の申立て』を
  しないといけなかったことになる」

S:「でも、地裁のときは『許可』を得た記憶はないわ」

K:「国家賠償訴訟は、行政処分の取消訴訟ではなく、
  通常の損害賠償請求と同じと高裁は考えたんじゃないかな?」

S:「特に、支障ないからいいんですけど、
  「租税に関する事項」の判断を争ってみたい気もするわ」

国税当局から受けた税額等の損害に対する国家賠償訴訟の場合、
常に、「租税に関する事項」に該当するとして
税理士が補佐人の許可は不要か否かについて、実務は
裁判官の解釈次第のようです。

許可が必要なら、提出するのも、「補佐人選任届」ではなくて、
本来は、「補佐人帯同許可申立書」になります。

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