税理士からの相談(税賠)
K:「P先生、こんにちは」
P:「木下先生、こんにちは。
いつも的確なアドヴァイスありがとうございます。
今日は、もう10年以上顧問契約していた顧問先から
突然、訴状が送られてきまして、驚くやら、腹立たしいやら・・・
それに、金額も大きくて到底支払えるような額では
ありませんし、そもそも私に支払う理由なんかありません。
もう、これは、サンタ先生にお願いするしかないと
うかがいました」
K:「そうですか。それで、顧問契約書はありますか?」
P:「いや、それが、最近の顧問先とは先生にもチェックして
いただいて、契約書を交わしていますが、
10年以上前からの顧問先とは、契約書がないんです」
K:「では、関与の状況と顧問料等を教えてください」
P:「関与は、毎月帳簿書類を確認して、試算表を出すことと
決算業務、申告書の作成・代理です。
法人だけでなく、社長さんの個人の確定申告もしていました。
報酬は、毎月10万円と申告時期に50万円です。
社長個人の分の報酬は受け取ってません」
◎ ◎ ◎
【契約書】
サンタ事務所に、税理士が損害賠償請求されたといって
ご相談にみえるケースは少なくありません。
また、顧客が税理士を訴えたいと相談に見えるケースもあります。
最近は、税理士も契約の重要性を認識してきたようですが
十数年も顧問関係を続けた後に、契約書を交わすなどとは
言い出せないのか、契約書がないこともよくあります。
しかし、口頭の契約だけでは、訴訟になった場合に
委任の内容(範囲)が両者で異なっていて、
争いになるケースもあります。
【報酬の額】
訴訟では、報酬の額が責任の程度に影響を与えた裁判例(※1)、
反対に、無報酬でも責任を認めた裁判例もあります(※2)。
無報酬だからといって、必ずしも責任がないということにはなりません。
専門家の業務には、常にリスクを伴うことを考慮し、安易に無報酬で受任することなく、適正な報酬を受領するようにしたいものです。
◎ ◎ ◎
【本日の裁判例】
※1 名判平成15年9月28日は、報酬の額から、委任契約の範囲に
顧問報酬、記帳代行報酬を含まないと認定した事例です
(名古屋高裁ホームページ下級裁主要判決情報)。
※2 東高判平成7年6月19日(判例時報1540号48頁) は、
相続税の修正申告及びその調査立会いにつき、
報酬の約束及び報酬請求の有無が「委任契約の成立を
左右するものとはいえない」として、委任契約の成立を認め、
当該契約に係る税理士の債務不履行があったと
認定しています。
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