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2009年4月

訴状の提出

今日は、まゆ嬢と訴状の提出に東京地裁にきています。

S:「まゆ嬢、どうして、そんなにバック抱え込んでるの?
  重いの? 持ちましょうか?」

まゆ(小声):「いいえ、重さは大したことありませんが、
        今日は大金もってるんですよ」

S:「大金? はぁ? なんで」

まゆ:「いつもは、印紙と郵券は、事務長が用意してくれるのですが、
    今日は小百合先生が初めてだから、ご経験のために
    印紙を購入するところから、やってくださいですって」

S:「え? じゃあ、印紙もこれから買うの? どこで?」

まゆ:「そうです。裁判所の地下に郵便局が入っていて、そこで
    購入できますから」

S:「地下ってあったの? エレベータの表示は上階行きしかないわよ
  階段でいくの?」

まゆ:「ほら、ボケてないで! 下ボタンもあるでしょう。
    下行きのエレベータがきたら、乗りましょう」

S:「さすが、まゆ嬢、詳しいわね」

       ◎          ◎         ◎

(地下にて)

S:「地下って、売店とか、いろいろあったのね。
  いつも、法廷へ直行だったから、気づかなかったわ。
  印紙は・・・そこの郵便局ね」

まゆ:「地裁の郵券セットと印紙80万円をお願いします」

S(小声):「何? 郵券セットって?」

まゆ(小声):「郵券は依頼者にはいくらって請求しますが、
        納付には、何円の切手を何枚って
        細かく決まってるんですよ。

        裁判所で郵券買う方は、提訴用の方も多いから、
        郵便局で予めセットにして、揃えているの。

        それに、地裁と高裁で郵券の額も異なるから、
        地裁の郵券セットっていわないと、
        どのセットが必要かわからないでしょ」

S(小声):「ふむふむ、勉強になりますわん。
       事務長に感謝せねば・・・」

       ◎          ◎         ◎

(14階の受付にて)

S:「受付、混んでるわね」

まゆ:「これくらいは、普通ですよ。
    そこの提訴の順番待ちの券を取ってくださいね」

S:「銀行みたいね・・・では、しばらく待ちましょう」

まゆ:「小百合先生、今、訴状出してる人、すごい量ですね
    先生方の書面や証拠はときどきうんざりするけど、
    訴状であんな量は、初めてだわ」

S:「あら、一所懸命やってるって、褒めていただきたいわ
  あれって、税務訴訟かしら? それとも、一般民事?」

まゆ:「どちらかしらね?」

S:「ウチのライバルの鳥飼事務所だったりして・・・」

受付:「187番の方、お待たせしました」

S:「はい。お願いします」

受付:「訴状、訴状、委任状、証拠・・・ん?(と、しばし書類整理)
    今度から提出のときはこのように、2部別々に
    揃えてから出してくださいね」

S:「申し訳ありません。今日初めてだったので、
  今度から気をつけますね」

受付:「また、呼びますからかけて待ってください」

S(小声):「まゆ嬢、訴状提出にもいろんな掟があるのね!
       揃えてくださいですって、みればわかるのにねぇ」

まゆ(小声):「うっかりしてました! そうなんです。順番で揃えて
        別々にしておかないと、チェックしにくいみたいですよ

        特に東京は一日に相当量の訴状が提出されるから
        そのくらいはご協力申し上げないとね」

S(小声):「で、問題は印紙かしら? 
      木下先生がまたチャレンジしてるから」

受付:「サンタ事務所さん、お待たせしました。
    この印紙額は、どうやって計算したかわかりますか?
    請求の趣旨がたくさんあって、ちょっとわかりにくいのですが
    ひょっとしたら、印紙が多すぎるかもしれませんので」

S:「添付の別表だけではちょっと説明が難しいですし、
  疑義もあるところと思われますが、
  印紙額でしたら、少ないことはあっても、
  多すぎることはないはずです」

受付:「そうですか。貼ってしまうと、戻すのが大変なんですが
    多すぎることはないんですね。では、これで受け付けますが、
    あとから、部のほうで検討して、
    ご連絡差し上げるかもしれません」

S:「あとからってどのくらいでしょうか? 提訴期限が少し気になってますが」

受付:「訴状は明日には部にまわりますが、
    ご連絡は通常1週間くらいみてください。
    お急ぎでしたら、2-3日して連絡してください」

S:「わかりました。ありがとうございます」

       ◎          ◎         ◎

こうして無事提訴が終わりました。
あとは、部の書記官さんに連絡して、
印紙の確認をすることになります。

待ってる間のエピソードを1つ。

受付の方が、「この訴状はさいたま地裁宛になってますが・・・?」と
提出にいらした事務員と思しき女性に声をかけています。

どうやら、提出する裁判所を間違えてしまったようです。
時間は午後4時を回ってました。提訴期限が当日だったら、
期限徒過で弁護過誤訴訟の提起されかねないところです。

皆様、くれぐれもそのようなことのなきよう・・・

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税理士からの相談(税賠)

K:「P先生、こんにちは」

P:「木下先生、こんにちは。
いつも的確なアドヴァイスありがとうございます。

今日は、もう10年以上顧問契約していた顧問先から
突然、訴状が送られてきまして、驚くやら、腹立たしいやら・・・

それに、金額も大きくて到底支払えるような額では
ありませんし、そもそも私に支払う理由なんかありません。

もう、これは、サンタ先生にお願いするしかないと
うかがいました」

K:「そうですか。それで、顧問契約書はありますか?」

P:「いや、それが、最近の顧問先とは先生にもチェックして
いただいて、契約書を交わしていますが、
10
年以上前からの顧問先とは、契約書がないんです」

K:「では、関与の状況と顧問料等を教えてください」

P:「関与は、毎月帳簿書類を確認して、試算表を出すことと
決算業務、申告書の作成・代理です。
法人だけでなく、社長さんの個人の確定申告もしていました。


報酬は、毎月10万円と申告時期に50万円です。
社長個人の分の報酬は受け取ってません」

         ◎          ◎          ◎

【契約書】

サンタ事務所に、税理士が損害賠償請求されたといって
ご相談にみえるケースは少なくありません。

また、顧客が税理士を訴えたいと相談に見えるケースもあります。

最近は、税理士も契約の重要性を認識してきたようですが
十数年も顧問関係を続けた後に、契約書を交わすなどとは
言い出せないのか、契約書がないこともよくあります。

しかし、口頭の契約だけでは、訴訟になった場合に
委任の内容(範囲)が両者で異なっていて、
争いになるケースもあります。

【報酬の額】

訴訟では、報酬の額が責任の程度に影響を与えた裁判例(※1)、
反対に、無報酬でも責任を認めた裁判例もあります(※2)。

無報酬だからといって、必ずしも責任がないということにはなりません。

専門家の業務には、常にリスクを伴うことを考慮し、安易に無報酬で受任することなく、適正な報酬を受領するようにしたいものです。

         ◎          ◎          ◎

【本日の裁判例】
※1 名判平成15928日は、報酬の額から、委任契約の範囲に
   顧問報酬、記帳代行報酬を含まないと認定した事例です
   (名古屋高裁ホームページ下級裁主要判決情報)。


※2 東高判平成7619日(判例時
154048) は、
   相続税の修正申告及びその調査立会いにつき、
   報酬の約束及び報酬請求の有無が「委任契約の成立を
   左右するものとはいえない」として、委任契約の成立を認め、
   当該契約に係る税理士の債務不履行があったと
   認定しています。
 

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