管轄
S:「木下先生、N法人の訴状の件、いくつか質問があります。1番目は訴状の宛先です。東京地裁でいいでしょうか。行訴法からすると、東京とさいたまが可能と思いますが・・・」
≪行政事件訴訟法12条≫
1項 取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
K:「そうだね。たしか、サンタ所長と会社へ資料収集に行ったとき、法務部長が東京でと仰っていたよね。
ところで、相手方が誰になるか、条文で確認したかい?」
S:「はい!そういわれると思って、確認しました。行訴法11条1項ですよね」
≪行政事件訴訟法11条≫
1項 処分又は裁決をした行政庁(略)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。
1号 処分取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体
S:「で、本件の課税処分をしたのは浦和税務署長で、浦和税務署 は国に所属する行政庁ですから、被告は国になります。
ちなみに被告が国とされる事件は、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限に関する法律、あー舌噛みそう、略して「権限法」1条で、法務大臣が国を代表するとされています。
だから、行訴法の12条に戻って、被告・国の普通裁判籍、つまり法務大臣の所在地を管轄する東京か、処分をした行政庁、つまり浦和税務署の所在地を管轄するさいたまのどちらかの裁判所となるんですよね」
K:「正解!被告適格や裁判管轄は訴訟要件だから覚えておくといいよ。訴訟要件全部については、訴状が完成したら、もう一度チェックするからね」
S:「訴訟要件・・・また新しい用語だわ。覚えることが多くて大変です」
K:「このあたりが、税務訴訟のような行政事件に特有の事項が多いから、最初は覚えることが多くて大変だけど、あとは一般の民事訴訟とほとんど同じだから、大丈夫さ」
S:「そういわれても、一般の民事訴訟も知らないんですけどねー」
K:「そうだったか。でも、一通り覚えてしまえば、税務訴訟だけでなく、いろんな事件でも使えるようになるってことだし、補佐人税理士なんだから、まずは税務訴訟に特有なことから覚えるのが近道じゃないかな」
S:「わかりました。ぼちぼち覚えます」
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